第1種、第2種ともに消防設備点検資格者講習を受講してきましたので、消防設備点検資格者の概要や講習の様子、修了考査の情報などをまとめてみました。
目次もありますので、どうぞご活用くださーい!
「消防設備点検資格者」と「消防設備士」の違いは?
消防設備士と名前が似ていて紛らわしいのですが、消防設備点検資格者はまた別の組織が運営しています。
どちらも一般財団法人なのですが、消防設備士は「消防試験研究センター 」、こちらの消防設備点検資格者は「日本消防設備安全センター」が試験を実施しています。
また、消防設備士は受ける種類によって消防用設備等の点検のほか工事や整備もできますが、消防設備点検資格者ができるのは点検のみというのが主な違いです。
その分、消防設備点検資格者は消防設備士よりもかなり合格率が高い(約9割)です。
…そして受講料もかなり高いです。
消防設備点検資格者講習の受講申請は窓口がおすすめ
定員に達し次第締め切り
消防設備点検資格者講習は、申請期間内であっても定員に達し次第締め切られてしまいます。
郵送でも申請できるのですが、私は念のため窓口を選びました。
窓口なら書類に不備があった場合でも、その場でチェックしてもらえます。
免除申請の際は特に注意!
特に第1種と第2種を同時申請、かつ科目免除申請する場合は注意が必要です。
第1種と第2種を同時に申請、かつ両方とも科目免除申請する場合は、科目免除申請書および証明書類(免状の写し等)がそれぞれ必要です。
申請書一式の中に科目免除申請書は1枚しか入っていなかったので、私は1種2種兼用だと勘違いしていました。
私の場合は窓口で申請したため、その場でもう1枚書いてセーフでした。
ちなみに後で説明するのですが、この免除申請する場合は相当な覚悟が必要です…!
消防設備点検資格者講習の事前準備・予習について
受講申請してから2~3週間ほどで受講票などが届き、テキストの前渡し申請ができるようになります。
前渡しを申請しなければ、講習初日に会場にて受け取ることになります。
私は念のため申請をしていたのですが、めちゃめちゃ分厚くてビックリ。
▼第1種消防設備点検資格者講習のテキスト▼
▼第2種消防設備点検資格者講習のテキスト▼
これを3日間で勉強するなんて、相当な覚悟が必要ですね…と思っていたのですが、結局のところ1種も2種ともに10分の1程度しか扱われませんでした。
講習テキストは文字ばかりで堅苦しく全然頭に入ってこなかったので、私はこちらの本を使って予習をしました。
図解が豊富で、イメージが浮かびやすいのでおすすめです。
一部しか使われない講習テキストを熟読するよりも、基礎的な本で消防設備の全体像をザックリ把握しておくくらいが調度いいかと思います。
私は免除を受けた科目(消防法規、消防用設備等及び特殊消防用設備等点検制度、建築基準法規、火災予防概論)を中心に予習しました。
ここからは、第1種⇒第2種の順に消防設備点検資格者講習の様子を紹介します。
第1種 消防設備点検資格者講習の様子
第1種消防設備点検資格者講習では、主に機械系の消防設備が扱われます。
消防設備士試験に当てはめてみると、第1、2、3、6類に該当します。
第1種 講習1日目
- 講習についての説明
- 火災予防概論
- 消防法規
- 消防用設備等及び特殊消防用設備等の点検制度
- 建築基準法規
- 消火器具
科目免除があるため、1日目は『消火器具』のみの受講でした。
『講習の説明』も免除されていたので、科目免除申請者向けに何か別に説明があるかと思いきやそういったものは全くありませんでした。何が説明されていたかは未だに謎です。
名古屋で受講したのですが、講義はとある施設の大会議室で行われ、約120名の受講者がいました。
プロジェクターを使っての講義で、室内が薄暗くされているのでなかなか眠気を誘われます。
消火器具については消防設備士乙6の参考書にも載っていないようなマニアックな内容も扱われました。
しかしながら講師の方が、『ここは修了考査に出そうです』『ここにアンダーラインを引いてください』と説明してくれたので一安心。
ちなみに、スケジュールでは2時間連続の講義だったのですが、途中10分間の休憩がありました。思っていたより、ガチガチに堅苦しい講習というわけでもなさそうです。
第1種 講習2日目
- 非常電源・配線
- 屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消火設備・屋外消火栓設備・連結散水設備・連結送水管・パッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備
『非常電源・配線』については消防設備士乙4の勉強をしていたので理解できましたが、その他はなかなか難しかったです。
前日と違う講師の方だったのですが、修了考査に出そうなところを教えてくれました。
どうやら講師の方は修了考査の内容を把握していて、それに合わせて講義内容を変えているようです。
講義中は、ひたすら講師の方の指示に従ってマーカーを引き付箋を貼り続けました。
ちなみに付箋は必携です。ほとんどの受講者が持参して貼りまくっていました。
スケジュールだけ見ると3時間連続の講義もあったりするのですが、この日も50分~1時間ごとに10分の休憩がありました。
第1種 講習3日目(修了考査)
- 不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備・動力消防ポンプ設備・消防用水・総合操作盤
- 修了考査の説明
- 修了考査
修了考査に向けてこれまでの復習をしてから会場に向かったのですが、講師の方が指示してくれたマーカー部分を流し読みしただけでも1時間程度かかりました。
不活性ガス消火設備の講義などを受けた後は、いよいよドキドキの修了考査。
修了考査についてはこの記事の最後にまとめてありますので、ぜひご覧ください。
第2種 消防設備点検資格者講習の様子
第2種消防設備点検資格者講習では、主に電気系の消防設備が扱われます。
消防設備士試験に当てはめてみると、第4、5、7類に該当します。
第2種 講習1日目
- 講習についての説明
- 火災予防概論
- 消防法規
- 消防用設備等及び特殊消防用設備等の点検制度
- 建築基準法規
- 避難器具・排煙設備
科目免除があるため、初日は『避難器具・排煙設備』のみ受講。
第1種のときと同様、修了考査に出題されそうなところを講師の方が教えてくれました。
今回も100名以上の受講者がいましたが、第1種のときに見かけた方もチラホラ。第1種2種を一気に受講する方も少なくないようです。
第2種 講習2日目
- 非常電源・配線
- 漏電火災警報器・誘導灯・誘導標識・非常コンセント設備・無線通信補助設備
- 自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備・非常警報器具・非常警報設備・総合操作盤
『非常電源・配線』については第1種のときも受講したのですが、講師の方が教えてくれるポイントがかなり異なっていました。
やはり講師の方は事前に修了考査の内容を把握し、それに基づいて講習内容を変えているようです。
第2種 講習3日目(修了考査)
- 自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備・非常警報器具・非常警報設備・総合操作盤(2日目の続き)
- 修了考査の説明
- 修了考査
講義は前日の午後に引き続き、自火報関連。ちょうど消防設備士乙4の勉強中だったので、だいぶ助かりました。
おそらく知識ゼロの状態だったら、講義で何を言っているのか意味不明だったかと思います。
消防設備点検資格者講習修了考査について
修了考査は時間との勝負!
消防設備点検資格者講習の修了考査について、修了考査前の説明や講師の方の情報をまとめてみると次の通りです。
- テキスト持ち込み可
- 合格率は約9割
- とりあえず時間勝負
- 問題は4択(正しいもの or 誤っているものを選ぶ)
- 消防法令関係、技術基準関係、点検要領関係に3分類されている
- 消防法令関係8問、技術基準関係12問、点検要領関係12問の合計32問が出題される
- 各分類ごとに50%以上、かつ全体の問題数の70%以上の正答率が必要
「テキスト持ち込み可だし、合格率9割なら楽勝だろう」と思いきや、制限時間ギリギリまでかかりました。
問題はほとんど講師の方が言っていた部分から出題されたのですが、分厚いテキストの中から探し出すだけで一苦労。
付箋を貼っておかなかったら、完全にアウトだったと思います。
科目免除を受ける場合は相応の準備を
特に科目免除を受けた『消防法令関係』がめちゃくちゃキツかったです。免除を受けた科目も、修了考査では出題されます。
たった8問の出題にも関わらず、マーカーも付箋もない状況だったのでその部分だけで1時間はかかりました。
第1種のときは免除科目で時間がかかったので、その後第2種のときはその他の問題から先に解いていきました。
それからじっくり免除科目に取り組んだ結果、時間内に十分間に合わせることができました。
科目免除を受ける場合は特に、時間配分に気をつけた方がよさそうです。
消防設備士試験の消防法令の知識だけでは太刀打ちできる内容ではなかったので、免除を受ける際にはそれ相応の準備が必要です。
受講料が多少高くても大丈夫なのであれば、免除を受けない方がむしろ近道かもしれません。
さいごに
ちょっとヒヤヒヤしましたが、なんとか第1種2種ともに合格していました。
合格率が高いとはいえ、1種2種ともに5、6名ほど再考査を受けに来ている方がいたので、油断は禁物です。
講習内容は修了考査の内容に沿って都度変わっているようなので、再考査だけ受けても合格の見込みはかなり薄いのではないかと思います。
これから受講する方は3日間大変かと思いますが、がんばってくださいねー!